はじめに
先日、妹から、甥Kが志望校に合格したと報告がありました。
この春から晴れて高校生!
その時に、、、

車の保険に特約を付けると、自転車で事故した時も出る?
、、、という話がありました。
この時期、こういうお話をいただくことが多いので、少し整理してみました。
どんな自転車事故が考えられるか
①対 自動車(バイク含む)

②対 歩行者

③自転車相互

④自転車単独

「対 自動車」事故が自転車事故の8割以上を占めるそうです。
その「対 自動車」事故の類型としては「出会い頭衝突」が約半数を占め、次いで「左折時衝突」、「右折時衝突」と続くそうです。
どんな損害が発生するか
事故が起こった時、どんな損害が発生するか考えてみました。
①対 自動車(バイク含む)

→●相手車の損害
→●相手運転者・同乗者のお怪我
→■自車(=自転車)運転者のお怪我
→▲自車(=自転車)の損害
②対 歩行者

→●歩行者のお怪我
→●歩行者の持ち物の損害
→■自車(=自転車)運転者のお怪我
→▲自車(=自転車)の損害
③自転車相互

→●相手自転車の損害
→●相手運転者のお怪我
→■自車(=自転車)運転者のお怪我
→▲自車(=自転車)の損害
④自転車単独

→■自車(=自転車)運転者のお怪我
→▲自車(=自転車)の損害
相手方への賠償責任
●印をつけたものは、相手方へ賠償しなければならないものです。
事故状況、損害の程度によっては高額になることもあります。
ご自身のお怪我
■印をつけたものは、ご自身(自転車運転者)のお怪我です。
自転車(バイクもそうですが)は、車と違って、体を守ってくれるものがヘルメット位しか無く、お怪我もひどくなりがちです。
自転車の損害
▲印をつけたものは、ご自身の自転車の損害です。
自転車も結構高いですよね。
最近、子供の通学用自転車をホームセンターに下見に行ったのですが、6~7万円しました。
どんな保険に入っていたらいいのか
予測される損害とそれを補償する保険を整理すると、以下のようになります。
相手方への 賠償責任 | →個人賠償責任保険 |
ご自身のお怪我 | →傷害保険 |
自転車の損害 | → 一般的ではない 自転車の損害を補償する保険もありますが、保険料が割高です。 何十万円もするような高価な自転車であれば入っていた方がいいと思います(→自転車専門店にご相談ください)が、ママチャリや通学用自転車で入るのはもったいないかな。 また、事故で破損した場合は、事故の相手方の過失(責任・落ち度)が大きければ、相手側から賠償してもらえる可能性があります。 |
絶対に入っておきたい「個人賠償責任保険」
「対 歩行者」や「自転車相互」の事故の場合、相手方は大きなお怪我を負う可能性があります。
高校生の姪Mが…

友達が、スマホを操作しながら自転車に乗っていて、電柱にぶつかった…。
…と言っていました。
結構ひどい怪我をしたようです。
自転車でも「ながらスマホ運転」ってあるんだな~とびっくりし、こわくなりました。
もし電柱ではなくて歩行者だったら…もっと大変なことになっていたと思います。
そして、その歩行者が高齢者だったら…、小さな子供だったら…、命にかかわりますね。
「ながらスマホ運転」は絶対にダメとして、、、我が子が万が一加害者になってしまった時のことを考えると、「個人賠償責任保険」は絶対に入っておきたい保険です。
ただ、「個人賠償責任保険」に入っているから、なんでもかんでも保険から支払われる、と考えてしまうのは危険です。
どこまで相手方へ賠償するべきか、、、損害賠償額は「過失割合」(責任の割合)を考慮して、話し合って決められます。
例えば、交差点で出合い頭に相手自動車と衝突した場合…
相手自動車の損害額(修理代または時価額)×自転車側の過失割合=損害賠償額
…となります。
事故が起こった際、「こちらが全部悪いから、全部保険で払います!」といったようなお話をされると、示談交渉が難航する可能性があります。
謝罪の気持ちは伝えた上で、金銭的なお約束は控えるのが無難です。
傷害保険はお見舞金のようなもの
傷害保険は、治療費実費をお支払いするものではなく、定額をお支払いするものです。
お見舞金のようなものです。
傷害保険は多種多様なので、迷ってしまいそうですが、ひとつくらい入っていてもいいと思います。
(と、いいつつ、我が家は入っていませんw)
では、実際にかかった治療費はどうなるのか?
相手のある事故で、相手方に過失があれば、相手の保険(対人賠償保険)から支払ってもらえる可能性があります。
自動車保険に「個人賠償責任保険」を特約として付けることができる
絶対に入っておきたい「個人賠償責任保険」ですが、自動車保険に特約として付けることができます。
また、自動車保険以外にも、傷害保険や火災保険にも特約として付けることができます。
クレジットカードに付いていることもあります。
既に「個人賠償責任保険」に加入しているにもかかわらず、二重に加入してしまうと、保険料がもったいないので、ご注意ください。(二重に保険金が支払われることはありません。)
JA共済の「日常生活賠償責任特約」の特徴
当店はJA共済の代理店ですので、JAの自動車共済(※1)の場合を考えてみたいと思います。
※1 共済と保険は厳密には違うものですが、保障内容はほぼ同じです。
JAの自動車共済に特約として付けることができる「個人賠償責任保険(共済)」は「日常生活賠償責任特約」という名前になります。(商品名は保険会社(共済)各社で違います。)
- 追加共済料(追加保険料)は1,890円(年払)。(一ヶ月あたり約158円。)※2022年3月時点。
複数台自動車を所有していたら、どれか1台の自動車共済契約に付加すればOK。 - この特約から共済金(保険金)をお支払いしても、翌年度の保険料には影響しない。
「自動車共済(保険)を使うと、翌年の共済料(保険料)が高くなる」のが一般的ですが、この特約から共済金をお支払いした場合はカウントされません。 - 保障を受けられるのは記名被共済者(記名被保険者)とその家族(※)
※その家族とは…
●記名被共済者の配偶者
●記名被共済者またはその配偶者の同居の親族
●記名被共済者またはその配偶者の別居の未婚の子
例えば、親元から離れて一人暮らしをする大学生(未婚)が自転車事故を起こしても、ご実家の自動車にこの特約をつけていれば、その損害は補償されることになります。 - 1事故あたり上限2億円の高額保障
例えば、近年の自転車事故による高額賠償事例に対しても、十分な保障提供が可能です。 - 相手方との示談交渉をJA共済が対応
事故が起きた場合の相手方との示談交渉をJA共済が行うため、賠償手続きにかかる被共済者のご負担を軽減できます。
JAの「日常生活賠償責任特約」のお支払対象事故はさまざま
「日常生活賠償責任特約」は自転車事故以外にも、「住宅に起因する事故」や「日常生活に起因する事故」により被共済者が法律上の損害賠償責任を負担することにより被る損害を補償してくれます。
たとえば、、、
●犬の散歩中、犬が他人に噛みついて怪我をさせてしまった。
●子供がお隣の家の車に石で傷をつけてしまった。
●子供と一緒に図書館に行き、誤って子供が本を破ってしまった。
、、、等々、あります。
せっかく共済にご加入いただいているのに、共済金のお支払対象となることに気付かないといったことがあります。
もしかして保険(共済)から出るかも!?と思ったら、お気軽にフリーダイヤルに相談してみてください。
・・・JAの「日常生活賠償責任特約」にご加入のお客様・・・
●〇●日常生活での事故等のご連絡●〇●
(受付時間9:00~17:00 土日・祝日除く)
0120-628-931
JAの自動車共済には傷害共済も組み込まれている
ここからは、自転車での事故の際の、ご自身のお怪我に関してお支払いできる共済金について考えてみたいと思います。
先程、「ご自身のお怪我→傷害保険」と書きましたが、特定の条件下で、自動車共済の「人身傷害保障条項」、「傷害定額給付条項」のお支払対象となります。
「特定の条件下」とは、
自転車搭乗中に、自動車(バイク含む)事故によって死亡したり、負傷したときです。
つまり、下表の■が、「人身傷害保障条項」、「傷害定額給付条項」にて、共済金のお支払い対象となります。
①対 自動車(バイク含む)

→●相手車の損害
→●相手運転者・同乗者のお怪我
→■自車(=自転車)運転者のお怪我→▲自車(=自転車)の損害
逆に、自転車搭乗中に「歩行者と接触した場合」や、「自転車同士で接触した場合」や、「自転車単独事故の場合」は、「人身傷害保障条項」、「傷害定額給付条項」では、お支払対象外となります。
一般的な傷害保険(共済)は、こうした事故の場合によるお怪我もお支払いの対象となるので、心配であれば、別途、傷害保険(共済)へ加入されることをおすすめします。
「人身傷害保障条項」、「傷害定額給付条項」では何が支払われるのか
「人身傷害保障条項」では
実際の損害額(治療費、逸失利益、精神的損害等)をお支払いします。
自転車 対 自動車(バイク含む)の事故の場合、相手自動車側にも過失があることが大半です。
その場合、相手側の過失割合部分は相手保険会社から支払われます。
二重には支払われません。
「傷害定額給付条項」では
共済約款にて定められた金額が支払われます。
例えば、、、「治療日数が5日未満の場合は1万円、5日以上の場合は10万円」というように定められていて、実際の治療費等とは関係なく、定額が支払われます。
まとめ
- 自動車保険(共済)に「個人賠償責任保険」を特約として付けることができ、自転車事故が起こった時、被保険者(被共済者)が法律上の損害賠償責任を負担することにより被る損害を保障してくれる。
- JA共済の場合(※2)、自転車搭乗中に自動車(バイク含む)と接触事故を起こし、自転車運転者が負傷した時は、「人身傷害保障条項」と「傷害定額給付条項」からも保険金が支払われる。
(自動車以外と接触し、負傷した場合はお支払対象外。)
※2 他の保険会社や共済も同じである可能性は大ですが、個別にご確認いただきますようお願いします。